心
『礼と節』....<2/12>
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18歳の頃に、もう亡くなられたのですが、私の先生である佐々木武先生から、「三好、いい刀は、鞘に納まっているものだよ、抜き身で歩いちゃいかん」と言われたことがあります。当時、まだ物事が良く判らなく、「なんの、こっちゃ」と思っていました。それから、しばらくして、先輩に「おまえ、人殺しの目をしてるな」と言われたこともありました。自分では、まったく気がつきませんでした。ですから、空手道を修行すれば、おのずと礼と節が身につくことは、必然ではないと思っています。
多分、その他の武道であっても同じではないでしょうか。ただ、礼儀と節度が必要なのかを考えるきっかけにはなるのではないかとは思っているのですが。

ちなみに、
《社会の秩序を保ち、他人との交際を全うするために、人としてふみ行うべき作法。》
《言行などが度を超さず、適度であること。ちょうどよい程度。ほど。》
と辞書には、礼儀と節度が説明されています。

社会の秩序を保ち・・・、とありますから、歴史的には随分大昔、人間が社会を構成し始めた時期に遡ると考えられます。村落ができた時期には、すでに礼と節としての基礎的な部分は出来上がったのではないのでしょうか。
短絡的ではありますが、まず、人を殺してはいけない。というか食べてはいけない。人の物を取ってはいけない。こういう事から、ルールが出来上がっていったのでしょう。こういう経緯がなければ、人が社会を構成出来得なかったからだと思えます。でなければ、今の社会が構成されたと想像することも出来ません。ただ、残念なことに、まだ、どこかで殺し合いが行われていることも事実ですが。

私は宗教についての専門家でも宗教家でもありませんが、仏教のお経の中に、十善戒というのを見つけました。紹介してみますと、

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